バレーボール男子日本代表主将の石川祐希(28=ミラノ)が、今夏のパリ五輪に向けた金メダル獲得構想を明かした。

7日、都内の味の素NTCで代表メンバー15人とともに会見に出席。ミュンヘン五輪以来52年ぶりとなる表彰台へのカギを、決勝舞台の経験と見通した。今月21日にブラジル・リオデジャネイロで第1週を迎えるネーションズリーグ(VNL)で頂点を争い、「金」に挑む経験値アップを狙う。

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石川は冷静だった。言葉は熱かった。「メダルを取れるチームだと思うし、取るべきチームだと思っている」。イタリア1部セリエAで9季プレーし、今季は主力としてクラブ初の3位へ導いた。世界を知る男へと成長したエースは「バレーに対する意識、仲の良さ、スタッフがバレーボールにかけている時間。そういうものすべて含めて(メダルを)取れる」と、太鼓判を押した。

その自信を確固たるものとする。昨年7月のVNLでは、大会史上初のメダルとなる銅メダルを獲得。快挙を成し遂げた一方で、国際大会での決勝経験はなく「メダルの色はまだ、イメージがあまりうまくできていない。そこが唯一、今の僕たちに足りないところ」と課題も挙げた。五輪の前哨戦として挑むVNLは、頂点へ向け、経験値を上げるための絶好の機会。自身は第2週(福岡・北九州市)からの参戦をめどに調整する見込みで「目標は(VNLで)決勝に行くこと。そこを目標とすれば、パリを迎えた時に(金メダルの)イメージが明確になる」と見据えた。

VNL決勝は、五輪の初戦7月28日まで1カ月を切った6月30日。調整のために出場を回避する選択肢もあるが、ブラン監督も「23年度と同様、(VNLの)メダルを目指していきます」と上位進出で経験を積む方針を示した。チームとしてもパリ五輪最大目標「金」獲得が共通認識だ。

今後、選手は16人から、さらに12~14人にまで絞り込まれる。石川を筆頭に、合宿、実戦を経てベストな布陣を構築。ミュンヘン以来52年ぶりのメダル獲得へ、残り3カ月の総仕上げとなる。【竹本穂乃加】

○…52年ぶりの悲願を目指す今季のチームスローガンが「ALL FOR PARIS」に決まった。開催国フランス出身のブラン監督は、改めて一丸の重要性を強調。「(五輪予選で切符を獲得し)出場権争いを避けることができ、五輪に全力を注ぐことができる。歴史に新たな1ページを加える」と誓った。壇上あいさつでは、ほぼ全てのメンバーがメダルへの思いを口に。パリへ、目指すべきゴールは定まっていた。