<シドニー五輪デコンドー女子67キロ級銅 全日本テコンドー協会理事 岡本依子(44)>

 シドニーから五輪に3回連続で出させてもらったことには感謝しかないです。金メダルがずっと欲しくて。北京大会は37歳だったので、これを最後にしよう、と臨んだのですが結局取れなかった。ただ、やるだけのことはやれた充実感があります。自分は才能があったわけではない。(シドニーの)銅メダルは、ほんまよくやったなと思います。

 去年から協会の強化を任されるようになりました。信じてもらえないかもしれませんが、本当は人前に出るの大嫌いなんですよ(笑い)。のんびりしたい気持ちはある。でも、テコンドーにお世話になり育ててもらったので、この競技をもっと発信していかないと、と思っています。後輩たちには、ただテコンドーだけに打ち込んで欲しい。セカンドキャリアを考え、中途半端にやるより、ガーッとやった方が得るものが大きい。

 東京からは、テコンドーのパラリンピック競技も採用されるので、脚光を浴びるチャンスだと思っています。日本でも協会の中に、パラの部門ができました。今まで1人っ子だったのが、もう1人子どもが生まれる感じです。これからはどっちも同じぐらい面倒をみなくては。特に次男(パラ)は、まだ赤ちゃんですから。

 実は、パラテコンドーはまだ競技者が数える程度しかいません。普及は東京都、各都道府県が熱心で、一緒にやらせてもらっています。昨年9月、パラテコンドーの世界選手権を見に行きました。すごくかっこよかった。5年後東京で開催するのにパラアスリートがいなかったら恥ずかしいと思いました。20年まで、一生懸命いろんなところで広め、日本から強い選手が出てくれるよう頑張ります!

(2016年3月16日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。