前回の東京五輪のときは小学校4年生。実家は岐阜県で父は鍼灸(しんきゅう)師をしていました。五輪の前に家にカラーテレビがやってきて、その前でマラソンの円谷選手、バレーボールの東洋の魔女…、無我夢中で応援したことを覚えています。来年の東京五輪は残念ながら馬術競技のチケットは当たりませんでしたが、陸上競技のチケットが当たりました。時間が許せば、家族と一緒に見に行きたいと思っています。

どのスポーツにも選手だけでなく、「トレーナー」の存在があります。レースでピークの状態に持っていくためにはどうすればいいのか。レースあるいは競技の何日前にどれくらい負荷をかけるべきなのか、どのように栄養を摂取するべきか、どのようにケアをするのか、暑さの中でどのようにコンディションを整えるのか。正解を見つけるのは難しいですが、アスリートとともにトレーナー、その周囲の方々も努力しているに違いありません。

速く走るために必要なことは何か。競馬との共通点も少なからずあるのではないでしょうか。以前、藤沢和雄さん(※日本を代表する調教師の1人。JRA通算1400勝、全国リーディング12回獲得)と亡くなられた小出義雄さん(※シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さんらを育てる。今年4月に80歳で死去)の対談を読んだことがあります。おふたりが大事にしていたのは「いかに走りたい気持ちにさせるのか」ということでした。

今、厩舎にはアーモンドアイという名前の牝馬がいます。競馬ファンじゃない方もご存じかもしれません。昨年は牝馬3冠、ジャパンCを制し、年度代表馬に輝きました。27日に東京競馬場で行われる天皇賞・秋へ向けて、トレーニングをしていますが、今は彼女が素晴らしいレースをしてくれることを願っています。

来年の東京五輪は選手、選手を支え、送り出すトレーナーの皆さんにも声援を送りたいと思っています。

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