女子WH1-2(車いす)ダブルスで里見紗李奈(21)山崎悠麻(31=NTT都市開発)組が中国人ペアを2-1(14-21、25-23、21-15)で破り、連覇を果たした。第2ゲームをジュースの接戦で奪って迎えた最終ゲーム。4-14と絶望的なリードを許しながら、13連続、4続得点という劇的な展開で逆転した。

勝った瞬間、コート上で涙を流した里見が正直に明かした。「怖かった。意識していた相手でしたが、途中で勝てないかもしれないと思いました」。中国は圧倒的な選手層を誇り、今回のペアは初対戦。ただ、選手個々の実力から強敵であることは分かっていた。

里見、山崎の特長は車いすダブルスでは珍しいローテーション(プレー中にポジションを入れ替える)だが、その強みを相手の速いタッチの攻撃で封じられていた。中盤からはローテーションを中止したが、最終ゲームで劣勢に立ったところで開き直った。山崎は「このままやられるのなら、自分たち本来のプレーをしようと話し合いました」。

気持ちを切り替えたことで攻撃的なプレーも復活し、回数は少なかったがローテーションから得点も生まれた。「私は今日は見ていただけです。紗李奈ちゃんが本当によく頑張ってくれました」と山崎。障がいが重い分、相手の標的にされた里見は最終ゲーム終盤に攻守両面で安定したプレーを取り戻し、勝利をたぐり寄せた。

里見、山崎組は東京パラリンピック出場ランキング1位をキープしている。シングルスではともに準決勝で敗退したが、ドラマチックに大会を締めくくった。