日本障がい者乗馬協会は8日までに、新型コロナウイルスの影響で来年に延期された東京パラリンピックへ向けた20年度強化指定5選手のコメントを発表した。

東京大会で日本には4つの開催国枠が与えられているが、代表選考は中断されている。今後の大会開催や選考規定については今月末にも開かれる理事会で討議される見込みで、これまでの成績が維持されるかどうかも未定という。

選手たちは愛馬をけい養する乗馬クラブなどそれぞれの練習拠点で代表選考再開へ準備を進めている。

選手のコメントは以下の通り。

▼鎮守美奈(46=明石乗馬協会/コカ・コーラボトラーズジャパンベネフィット)私にとって東京パラリンピック開催延期は青天のへきれきでした。天命と受け止め、私なりに現在健康でいられることや、競技活動を継続できることを周りのみなさまに感謝してもう1年前進できるよう頑張りたいと思っております

▼吉越奏詞(19=四街道グリーンヒル乗馬クラブ/日体大)開催延期は残念ですが、練習の時間が増え、実力が確実についてきている手ごたえを感じています。今後のことは不安を感じることもありますが、コーチや大学の関係者、協会のみなさまなど応援してくださる方々とともにきっといい方向に向かっていると前向きに考えています。この困難を乗り越え、東京パラリンピックに出場し、目標とする成績を残したいです

▼宮路満英(62=リファイン・エクイン・アカデミー/セールスフォース・ドットコム)行動制限もあり、国内はもちろん海外の馬の騎乗練習もできなかった2カ月でした。まず国内で練習を始め、技術向上に務め、新型コロナウイルスの早期収束を願い、またオランダで練習と海外での試合ができることを願っています

▼稲葉将(25=静岡乗馬クラブ/シンプレクス)東京パラリンピックの1年延期が決定されましたが、練習時間が増えることで、さらにトップレベルの選手に近づくチャンスをいただけたと感じています。これまでと同様にメダル獲得という目標に向けてベストを尽くしていきたいと思います。世界でまん延している新型コロナウイルスが収束へ向かい、一刻も早く平穏な生活が送れる日が訪れることを心から願っております

▼高嶋活士(27=ドレッサージュ・ステーブル・テルイ/コカ・コーラボトラーズジャパンベネフィット)東京パラリンピックの開催延期決定を受け、やることをやるだけだという気持ちを強く持ちました。練習時間が1年間できたとポジティブに考えています。新型コロナウイルスの収束を心から願っています。

◆パラリンピックの馬術競技 肢体不自由、視覚障がいの選手によって男女混合の馬場馬術として行われ、人馬一体となった演技の正確性と芸術性を争う。個人戦の規定演技(チャンピオンシップテスト)と自由演技(フリースタイルテスト)に加え、団体戦も実施される。選手は障がいの程度によって5つのクラスに分けられており、個人戦はクラスごとに順位を決定する。