スキーと陸上の二刀流にチャレンジする村岡桃佳(23=トヨタ自動車)は女子100メートル(車いすT54)を16秒67で制したが自己ベストは更新できず、東京パラリンピック出場を争う世界ランキングは6位で変わらなかった。初めて走った400メートルは1分00秒14で2位だった。

「うーん、やっぱり不安ですね。私が陸上から離れる間に他の選手がタイムを出すかもしれませんから」。村岡は大きく息を吐き出した。18年冬季平昌パラのアルペンスキーで5つのメダルを獲得。昨年から本格挑戦した陸上でもレースごとにタイムを縮め、今年1月に自己ベストの16秒34をマークして東京パラ出場圏の6位につけていた。

東京から半年後の22年冬季北京パラ出場のため、これから来春までは2年ぶりにスキーに復帰する。新型コロナウイルス禍で東京パラが来年に延期されたことで二刀流はより厳しい道になった。それでも村岡は最後に笑顔で言った。「どちらも諦めることができなかった。陸上に戻った時に遅くなったと言われないようにしたいです」。