“リレー侍”の鍵は、桐生祥秀(28=日本生命)が握る。

パリ五輪男子400メートルリレー代表は14日、都内で練習を公開。欧州で調整中のサニブラウン・ハキーム(25=東レ)を除く7人が汗を流した。パリへの試運転の場となる20日のダイヤモンドリーグ(DL)ロンドン大会では、16年リオ五輪銀メダルの桐生が3走を担う。リレー強化に携わる日本陸連の土江寛裕ディレクター(50)が「5~6パターン」と構想する変幻自在のオーダーで、悲願の金メダルを目指す。

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「おぉー!」。リレー侍から思わず声が漏れたのは、柳田から桐生へのバトンパスだった。受け渡し可能なテイクオーバーゾーン(30メートル区間)での2人のタイムは3秒69。目標とする3秒70を切るタイムをたたき出した。

存在感を示した桐生は「3走で準備している。もう1回メダルを取りにいきたい」と決意を口にした。

“金メダルオーダー”を思案する上でも、桐生の調子は大きな鍵を握る。コーナーを走る3走は、5月の世界リレーでは200メートルが主戦場でコーナリングに定評のある上山が務めた。桐生が出走するめどが立てば、その上山の4走やサニブラウンの1走起用も可能となる。

ロンドンDLでは1走から順に坂井→柳田→桐生とつなぎ、4走には上山か東田のどちらかを起用する見通し。土江ディレクターは、今季100メートルのベストが10秒20の桐生の起用ついて「本来の力で走れているわけではない。その中できちっと3走で走れるか。それが一番の目的」と説いた。

桐生は戦術面に加え、チームづくりでもキーとなる。五輪と世界選手権の同種目で3度メダル獲得のベテランは「リレーは気を使うことなく、後輩から先輩に言わないといけないこともある」と信頼関係の重要性を熟知。初代表5人とフレッシュな顔ぶれとなったチームの結束を深めるべく、今後はさらにともに行動する時間を増やしていく。

「メダルを取って人生がどう変わるのかを知っている。また一緒にメダルを取って、どうなるのかを感じたい」

3度目の五輪に臨む28歳。この夏も、チームを支える。【藤塚大輔】

◆パリ五輪の“リレー侍”

サニブラウン・ハキーム(25=東レ)

坂井隆一郎(26=大阪ガス)

東田旺洋(28=関影商事)

柳田大輝(20=東洋大)

桐生祥秀(28=日本生命)

鵜澤飛羽(21=筑波大)

上山紘輝(25=住友電工)

飯塚翔太(33=ミズノ)