初出場の福部真子(28=日本建設工業)は、オリンピック(五輪)の同種目日本人最高タイムの12秒85(向かい風0・1メートル)で準決勝進出を決めた。従来の記録は21年東京五輪の予選で寺田明日香がマークした12秒95(追い風0・3)。

予選突破条件は各組上位3着+4着以下のタイム上位3人。

好スタートを切った福部は中盤も粘りの走りを見せた。写真判定の末に3着に100分の1秒差の4着に終わったが、4着以下のタイムで上位3人以内に入り、予選突破を決めた。

レース後、2組以降の選手の結果を正座をして待っていたという福部は「ディズニーランドの待ち時間かと思いました。ほんと地獄だったけどよかった」と準決勝進出に安堵(あんど)の笑顔を見せた。

今季は好調だ。6月末の日本選手権(新潟)では予選で12秒85、準決勝で参加標準記録(12秒77)を上回る12秒75をマーク。決勝は12秒86で優勝を決めて五輪代表に内定。さらに7月20日の実業団・学生対抗(神奈川)で12秒69(追い風1・2メートル)の日本新記録をマーク。自身が22年9月に出した12秒73を更新する日本女子初の12秒6台に「12秒6台とか7台前半を出せるようにならないと(世界で)戦えない。これをスタートラインにしたい」と本番に弾みをつけた。

広島皆実高時代に全国高校総体を3連覇した逸材も、初の世界大会となった22年世界選手権では、準決勝で12秒82で組最下位の8位。という現実をつきつけられた。アムサン(ナイジェリア)の世界新記録(12秒12)を目の当たりにした。「全く背中が見えなかった。これが日本と世界の差なのかと身をもって実感した」と話していた。

パリ五輪で2年前の世界選手権からの成長を証明する決意だ。「予選はちょっとかたくなってしまって、前半の乗りがあまりよくなかったので、準決勝では自しっかり分のいいところが出せるように猪突妄信でやっていきたい。タイムは12秒5台を視野に入れている。そのタイムを狙っていける走りだった。中1日、気持ちも体も切り替えて狙っていきたい」と、9日の準決勝を見据えた。