【パリ=藤塚大輔】村竹ラシッド(JAL)が日本勢同種目初の決勝に臨み、5位に入った。13秒21(向かい風0・1メートル)。日本男子の個人トラック史上初、女子の個人トラック種目を含めれば1928年アムステルダム五輪800メートル銀メダルの人見絹枝以来、96年ぶりの表彰台はならなかった。それでも日本記録(13秒04)保持者の22歳が、陸上界の歴史を動かした。

一番端の9レーンから突っ込んだ。1台目のハードルに足を当てたが、2台目以降で立て直した。3着までは逃したが、上位に食らい付いてゴール。写真判定で4位リュピス(スペイン)とは0・01秒差の5位に笑顔を見せた。優勝したホロウェー(米国)は12秒99だった。

村竹は「本当に楽しかったです。魂の走りです。待ち望んだ舞台を楽しめた。うまく言葉にまとめられない。メダルを取れなかった悔しさもあるし、いろんな感情が入り交じっています」と話した。

小学5年から陸上を始め、千葉・松戸国際高3年時には110メートル障害で全国高校総体を制した。順天堂大(順大)3年時の22年には世界選手権に出場。4年時には順大の2学年先輩にあたる泉谷駿介の日本記録に並び、今年6月の日本選手権では今季世界6位タイの13秒07で初優勝した。

今回の準決勝後には「気持ちを切り替えて、強豪相手に全身全霊で戦えるようにしたい」と意気込んでいたが、決勝でも快走を見せた。

◆村竹ラシッド(むらたけ・らしっど) 2002年(平14)2月6日、千葉・松戸市出身。跳躍競技の経験があるトーゴ人の父と日本人の母のもとに生まれ、相模台小5年で陸上を始める。松戸一中でハードル種目に専念。松戸国際高3年時に全国高校総体男子110メートル障害優勝。順大3年時の22年に世界選手権代表。23年9月の日本学生対校選手権(日本インカレ)で日本記録をマーク。24年4月に女子やり投げの北口榛花ら所属のJALへ入社。好きな食べ物はプリン。身長179センチ。