【パリ=藤塚大輔】村竹ラシッド(22=JAL)が日本勢同種目初の決勝に臨み、13秒21(向かい風0・1メートル)で5位に入った。日本男子の個人トラック史上初の表彰台はならなかったが、1932年ロサンゼルス五輪6位で「暁の超特急」と呼ばれた吉岡隆徳を上回り、五輪の男子短距離種目では日本勢最高位となった。

入場時には、人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のキャラクターの独特な立ち姿「ジョジョ立ち」を披露。「楽しんで臨もうと思った」と説明し、着想を得たのは男子200メートルで準決勝に進出した鵜澤飛羽(筑波大)だったと明かした。1学年後輩にあたる鵜澤はレース前にパフォーマンスをすることもあり、決戦前夜に食事をともにした際に「多分1番で登場することになる。これやったら面白いかな?」と相談。7万7000人の観衆が見つめる決勝で実践してみせた。大舞台を楽しみ尽くし「来年は一緒に」と望んだ。

優勝はホロウェー(米国)で唯一の12秒台となる12秒99。銅メダルのブロードベル(ジャマイカ)は13秒09で、村竹は表彰台まで0秒12差だった。7台目までは3位につけていたが、後半で引き離された。「喜んでいいのか分からないですね。中途半端な順位。メダル争いに加われていたかもしれないと思うと、悔しさが残ります」と振り返り、来年9月に東京で開催される世界選手権(世界陸上)へ「必ずメダルを取りたいと思います」と誓った。

◆村竹ラシッド(むらたけ・らしっど)2002年(平14)2月6日、千葉・松戸市出身。跳躍競技の経験があるトーゴ人の父と日本人の母のもとに生まれ、相模台小5年で陸上を始める。松戸一中からハードル種目に専念。松戸国際高3年時に全国高校総体110メートル障害で優勝。20年から順天堂大(順大)に進学し、同期に3000メートル障害の三浦龍司。3年時の22年に世界選手権初代表。23年9月に泉谷駿介の日本記録(13秒04)に並ぶ。24年4月にJALへ入社。好きな食べ物はプリン。身長179センチ。