【パリ=木下淳】詩に笑顔が戻った。最終日の混合団体戦が始まり、第1シードの日本は2回戦を薄氷を踏む思いで突破。8強入りした。女子52キロ級の2回戦でまさかの敗退を喫し、大会2連覇ならず号泣した阿部詩(24=パーク24)が6日ぶりに試合復帰。初戦スペイン戦の57キロ以下級に先鋒として出場し、階級が1つ上のトロソレルに残り1秒、逆転で一本勝ちした。
チームが勝った瞬間、敬愛する高市未来(30=コマツ)に笑顔を見せた。
詩は1人目で登場し、開始1分20秒、個人戦で一本負けを喫した因縁の技「谷落とし」を浴びた。背中はついていない微妙な判定ながら技ありを取られる。2分15秒に大腰で豪快に投げて逆転の一本勝ち…かと思いきや、技ありに格下げ。気を取り直して攻め、残り1秒、袖釣り込み腰で技ありを奪い、合わせ技の一本勝ちでしっかり逆転した。
「詩の1勝」で勢いに乗りたい日本だったが、いきなり3-3からの代表戦にもつれ込む波乱。前日の男子100キロ超級でメダルを逃す5位に終わり、涙を逃した斉藤立(22=JESグループ)も2日連続の初戦から畳に立ったが、シェラザジシビリに技ありで敗れた。ゴールデンスコア方式の代表戦は高市未来(30=コマツ)が一本勝ちを収めて無事、準々決勝に進出した。その際、詩は笑顔で敬愛する高市をたたえ、初戦突破を喜んだ。
◆初戦メンバー
女子57キロ以下 阿部詩○一本勝ち(技あり2=大腰、袖釣り込み腰)
男子73キロ以下 橋本壮市●一本負け
女子70キロ以下 高市未来○一本勝ち(縦四方固め)
男子90キロ以下 村尾三四郎○優勢勝ち(技あり)
女子70キロ超 高山莉加●反則負け(指導3)
男子90キロ超 斉藤立●技あり(払い腰返し)
代表戦 高市未来○一本勝ち(小外刈り)
詩は、男子66キロ級で2大会連続金メダルの兄一二三との史上初「きょうだい2連覇」を目指していた個人戦で、金メダルに輝いた世界ランキング1位のケルディヨロワ(ウズベキスタン)と2回戦で対戦。幸先よく技ありをリードした後、谷落としで逆転の一本負けを喫していた。
詩を巡っては、日本女子の増地克之監督が7月30日の取材で、翌31日から調整を再開することを明らかにしていた。混合団体戦が正式種目になった前回21年の東京五輪では、詩は初戦のドイツ戦に1階級下ながら1試合、出場していた。当時は敗れたが、今回で混合団体戦の初勝利となった。
今回の混合団体戦には、前日の女子78キロ超級で左膝を痛めて敗者復活戦を棄権した素根輝も含め、日本は男女14階級が全員登録リストに入っている。
混合団体戦は、各チームの登録メンバーから毎試合6人(男女3人ずつ)が出場する。男子が73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子が57キロ以下、70キロ以下、70キロ超。3勝3敗など同点の場合は、無作為に選ばれた階級の選手が代表戦を行う。計19チームが参加する。



