【パリ23日=阿部健吾】パリ五輪競泳女子代表の池江璃花子(24=横浜ゴム)が23日、パリの本番会場のラデファンス・アリーナで初練習に臨み、浅いプールを歓迎した。主要国際大会で一般的な深さ3メートルではなく、2・2メートルで仮設されて、影響を懸念する選手もいる中で、前向きに捉えた。27日から予選が始まる本命種目の女子100メートルバタフライでは決勝進出を目指す。

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3度目の五輪、初の会場練習。感想を聞かれた池江は、「うふふ」と口に手を当ててほほ笑んだ。抑えきれない高揚感に本人も驚いたのか、しばし間を取った。「プールを見た時は鳥肌が立った。ワクワクした気持ちが1番強かったです」と初泳ぎを振り返った。

午前10時前に入水すると、驚きは歓迎に変わった。水深が浅い。国際大会では3メートルが通例だが、大会のために仮設されたプールは2・2メートル。選手によっては飛び込みの角度などの修正が求められるが「(飛び込みは)あまり得意じゃないから、どちらでもあまり変わらないかな」と分析。むしろ、「浅い方が早く終わる感覚。深い方が進んでる感じがしない。良いふうに捉えてレースできたらな」と好材料とした。

19年2月に白血病の診断を受けた。1年後の20年3月に練習を再開。2年後の東京五輪にはリレーで代表に名を連ねた。それから3年。個人種目では16年リオデジャネイロ以来2大会ぶりとなる100メートルバタフライは「世界のレベルが一気に今年上がってきてて。決勝に行きたい目標を立ててたとしても簡単じゃない」と理解している。同時に、「しっかり行きたいっていう強い気持ちだけは、リオの五輪と同じくらい強い」と16歳の夏を思い出す。

「米国とオーストラリアのがほしくて、2つ持ち歩いてるんですけど、いつも違う国で」。首から提げたIDのストラップには、すでに各国のピンバッジが並んでいた。そんな交流も気分を上げていく。「いろいろな世界の選手と五輪の場で堂々と競技でできるのがうれしい」。出番は競泳日本勢トップの27日。24歳の夏が始まる。