日本人3選手とも果敢に攻めていて、本当に惜しい戦いでした。岩渕選手は2、3回目の「バックサイド1080」を決めていれば2、3位は狙えていた。2回目の着地で手をつきましたが、2位になったジェイミー・アンダーソン選手も1度目に同じ「1080」で手をつきました。岩渕選手の方が彼女よりも少し長く手をついていて、そういう細かい部分で差が出ました。

 今大会のキッカー(ジャンプ台)は上に高く跳びやすいような性質があり、岩渕選手が挑戦したような横回転技は縦回転技よりも難しくなる。この日のジャッジはより回転の多い技で点を出していたので、岩渕選手も縦回転系の技を入れれば、より上位に入ったのではないかと思いました。それでも岩渕選手は今回のようなキッカーでも横の回転軸が安定していて、グラブの長さもあった。基礎がしっかりしていて、まだ若い。4年後、8年後の五輪も見据えて、めげずに頑張ってほしいと思います。(06年トリノ五輪スノーボード・ハーフパイプ代表)