真っ赤な口紅の「美女応援団」にスイッチが入り、甲高い歌声が寒空の五輪スタジアムにこだましたころ、私の通信機器は完全にオフ-。写真を送れない状況に震えた開会式をはじめ、初体験の五輪は緊張感との闘いになっています。

 世界で活躍している選手たちも人の子です。美しいジャンプを決めるフィギュア選手が、普通に氷上を滑りながら前のめりにバタン。独特の緊張感でいつも通りにいかなかったようで、恥ずかしそうにほおを赤らめる姿を初めて見ました。

 スピードスケートの高木美帆の3000メートルには“いつも通り”を発揮する難しさを、1500メートルでは、それができたときのうれしさが見えました。平昌で、私は日本と同じように晩酌を大切にしています。赤黒いラーメンの汁をアテに、マッコリをグビグビ。明日もいい仕事をするための、いつも通りの儀式です。【写真部・山崎安昭】