今大会の最終種目女子30キロクラシカルで第一人者の石田正子(37=JR北海道)が、1時間26分38秒4で10位に入った。トップから4分20秒8離されたが、最後まで持ち味の粘りで中盤から徐々に順位を上げた。

 石田は残り1キロ付近で11位から1つ順位を上げた。序盤は15位前後だったが、中盤からはトップ集団から脱落してきた選手をつかまえ、順位を上げた。「まだいける、まだいけると思って走った。力は出せたと思う」と満足そうに振り返った。

 女子代表は前回ソチ五輪に続き1人だけ。初代表だった06年トリノ五輪当時は、自分のレースだけに集中してきたが、30歳を過ぎた頃から考えに変化が生まれた。有望な若手が、競技を続ける環境に恵まれず、次々とやめていく。「クロカンを広めたい」。活躍がその旗印になると信じて、11年にフランス、15年には本場ノルウェーに渡った。最近ではW杯の他に欧州で行われる「スキー・クラシック」にも出場している。

 年齢を考えればこれが最後の五輪になるかもしれない。「五輪はもういいかな。1年1年やっていきたい」。距離の第一人者が、五輪に別れを告げた。