いざ、決戦だ。フィギュアスケートの宇野昌磨(20=トヨタ自動車)が15日、16日の男子ショートプログラム(SP)に向けて、会場となる江陵アイスアリーナの練習用リンクで公式練習に臨んだ。

 同組には世界王者の羽生結弦(ANA)や、今季のグランプリ(GP)ファイナルを制したチェン(米国)、GPフランス杯で屈したフェルナンデス(スペイン)など実力者ぞろい。特に多くのメディアが羽生の一挙手一投足にカメラを向ける状況とあり「(個人戦が迫り)特になんか特別な思いがある訳じゃないですけれど、率直な気持ちは『久々に陰に隠れて試合を迎えるな』っていう感じがします」と笑わせた。

 SPの「冬」をかけての練習では、大技の4回転フリップに成功。4回転-3回転の連続トーループも決めるなど、コンディションについては「特に何か不満を持っているところはないです」と自信を持つ。トリプルアクセル(3回転半)こそ転倒したが、試合を想定した通し練習からも、状態の良さがうかがえた。

 9日に行われた団体男子SPでは、他国のライバルが苦戦を強いられる中で103・25点をマークし首位。初めての五輪だが、本番リンクの感触は体に刻まれている。「自分に負けない演技をして、それを見せたいなと思っています」。力強い抱負を胸に、世界が注目する一戦に臨む。