羽生フィーバーは終わらない。平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)フィギュアスケート男子で66年ぶりの連覇を達成した羽生結弦(23=ANA)の故郷宮城県が、大規模な祝賀パレードの準備に着手したことが19日、分かった。4年前の9万2000人を上回る動員が予想される。さらにソチ五輪に続き県民栄誉賞を贈る方針も示した。同一人物への2度の授与は初めて。また仙台市は、連覇記念のモニュメント作製を検討している。

 杜(もり)の都に、再び羽生旋風が吹き荒れそうだ。この日、金のネクタイで定例会見を行った宮城県の村井嘉浩知事は、祝賀パレードの準備を仙台市、宮城県警と協力して進める指示を出したことを明らかにした。仙台市役所スポーツ課は早速準備に着手。担当者は「まず羽生さんと日程を調整したい。それから話し合い、前回と同様の規模にするかなど決めていく」と話した。

 14年ソチオリンピック(五輪)後は、4月26日に仙台市内の東二番丁通で開催。約880メートルの沿道に9万2000人が集まり、盛大に祝福した。今回は連覇だけに、さらなる人出が見込まれる。当時は県が特製Tシャツを販売し、売り上げをパレードの費用にあてた。今回も同様に税金を使わないよう、工夫して財源を確保するという。

 仙台市では同時に、66年ぶりの偉業を形に残す検討にも入った。課の担当者は「どんな形が望ましいか、これから考えます」とし、具体的な形はこれから話し合う。市内の「五色沼」は日本のフィギュアスケートの発祥地とされており、男女ペアの像と碑が立っている。昨年4月には、トリノ五輪金の荒川静香さん、ソチ五輪金の羽生、仙台ゆかりの金メダリスト2人の碑が地下鉄国際センター駅前に設置された。その場所に碑を追加するか、ブロンズ像を建てるか、記念館を造るか…。いずれにせよ、羽生結弦という唯一無二のスケーターを表すにふさわしい形をこれから探っていく。新たな羽生の聖地となることは間違いなさそうだ。