【平昌9日】平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)スタジアムで開会式が行われ、平昌、江陵(カンヌン)の街は活気が出て、交通量も開幕に合わせ一気に増えた。2020年東京オリンピック(五輪)でも大きな課題の1つである輸送問題だが、渋滞を解消する韓国ならではの取り組みがあった。ボランティア、街の雰囲気など、五輪ムード高まる現場から、東京大会を見据える。

 開会式が行われる平昌五輪スタジアムの駐車場までは一本道しかなく、大渋滞が起きた。競技が本格的に行われる今日10日から、これを解消する施策が実施される。ナンバープレートの1ケタ目の数字を使って交通量を制限するものだ。

 江陵市警察によると、10日は偶数だから、1ケタ目が偶数の車は運行しても良い、というルール。偶数日に奇数ナンバーが走ると罰金5万ウォン(5000円)が科される。違反車の罰金があるのはスケート会場が集まる江陵市街地。平昌地域などは、努力目標とされている。

 その代わり、市内バス、シャトルバスは無料にして、交通量をコントロールし、大会の円滑な運営を図っていた。20年東京五輪に向け、輸送問題は組織委、都、国、経済界が総出で計画を練っている。大会期間中、関係自治体の市民や民間企業などへ、車使用を控えるようお願いするTDM(交通需要マネジメント)や、首都高への入場制限などを考えているが、韓国の例も1つの参考になりそうだ。

 ボランティアも東京に通じる課題。平昌五輪の会場を歩き感じたことは「警官も含め、自分の担当外の件には耳を傾けてくれない」ということ。江陵五輪パークの入場ゲートの行き方ひとつ取っても「向こうの方」などとあいまいで、北門と南門を行ったり来たり、たらい回しはざらだ。

 さらに、意外にも英語があまり通じない。16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)を取材した際も同様だったが、英語教育が進んでいると聞いた韓国でも、と驚いた。東京大会では道案内程度の簡単な英語だけでも準備できていると、外国人観戦客の印象がだいぶ違うだろう。また、年配者が積極的にボランティアに参加している印象で、笑顔で快く接してくれた。これは東京大会も見習いたい点だ。

 開会式が行われた五輪スタジアムのチケット売り場では、堂々とダフ屋が活動。売り場では150万ウォン(15万円)の席を、ダフ屋は60万ウォン(6万円)で売ると、耳元でささやいてきた。信じ難い値段だが、そんな人がゴロゴロうろついていた。