陸上男子100メートルの世界記録保持者ウサイン・ボルト(29=ジャマイカ)の、五輪3連覇に黄色信号がともった。ジャマイカ選手権第2日が1日(日本時間2日)、キングストンで行われ、ボルトは左太もも裏の故障で決勝を棄権した。同国陸連は、本番までにけがの回復が見込めれば、代表に選出する意向だが、五輪を約1カ月後に控えて不安を抱え込んだ。カール・ルイス(米国)をしのぐ、史上初の五輪同種目3連覇の快挙に向けて暗雲が漂った。
最後の五輪と位置付けたリオに向けて、不安要素を抱え込んだ。ボルトが左太もも裏の故障で、代表選考を兼ねたジャマイカ選手権決勝を棄権した。今年3月に「間違いなく、リオが自分にとって最後の五輪になる」と語った「世界最速の男」に異変が起こった。
ボルトは、前日6月30日の予選を10秒15、この日の準決勝は10秒04で通過した。世界記録9秒58と比較すれば平凡なタイム。決勝棄権後には自身のツイッターで「予選と準決勝で太もも裏に違和感を感じた」として、医師の診断では左太もも裏の筋損傷で「グレード1(軽度)」と説明。一般的に回復まで1週間程度かかり、2日以降は得意の同200メートルも欠場する。
同国の選考では今大会上位3人に原則、五輪の出場権を与えられるが、同国陸連のガース・ゲイル専務理事は「五輪本番に間に合うなら、彼は3番目の代表になりうる。7日までに判断する」。回復が見込めれば、五輪2大会連続短距離3冠の実績が考慮され、代表に選出される見通しだ。
22、23日のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会出場を予定。「22日のロンドンの試合で回復を証明したい」と声明を発表し、自身のツイッターには治療を受ける写真も投稿した。世界最速の男も来月21日で30歳。今季シーズンベストの9秒88は同世界ランク2位。全盛期の強さはない。五輪で金6個、世界選手権で金11個をかき集めたボルトが落日を迎えるのか。世界中の注目が集まる。
◆ウサイン・ボルト
1986年8月21日、ジャマイカ・トレロニー生まれ。13歳で陸上を始めて、当初は200メートルが専門。07年の世界選手権大阪大会200メートルで2位となり100メートルに本格参戦した。09年世界選手権で100メートル9秒58、200メートル19秒19の世界新記録を樹立。五輪は08年北京、12年ロンドンでリレーを含めて短距離3冠を達成した。趣味はテニス観戦、サッカー。196センチ、86キロ。



