女子20キロは昨秋の世界選手権7位の藤井菜々子(20=エディオン)が1時間33分20秒で初優勝し、東京オリンピック(五輪)の代表に内定した。

残り3キロで前に出て、競り合っていた渕瀬を引き離した。「東京代表の内定をつかむことを優先するレースをした」。ゴール後は歓喜の涙がこぼれた。両親がレース後に初めて見た涙だった。

北九州市立高2年時から競歩を始めた。長距離では芽が出なかったため転向した種目で、高校総体を制するなど順調に力を伸ばした。順風満帆な成長曲線を描く中、初の試練が1月初旬に訪れた。右太ももの靱帯(じんたい)を炎症。五輪選考会の2月の日本選手権も欠場を余儀なくされた。大事な時期の故障に「東京オリンピックに出られるのか」と悩んだ。「苦しい2ケ月」の中、周囲の支えもあって、何とか間に合った。五輪へ向けては「挑戦者として、メダルを目標にしたい」と話した。