東京五輪・パラリンピック開催に向けた流れも悪くなる? 

陸上の東京五輪テスト大会が9日、東京・国立競技場で行われた。選手が準備運動や練習などで使用するサブトラックで問題が発生。仮設の簡易水洗トイレが4台設置されていたが、前日練習が行われた8日中に、故障によって、すでにすべてが水が流れない状態になった。3台は、そのまま使用可能としていたが、この日に4台ともに入り口を黄色いテープでふさいで、完全使用禁止に。急きょ、近隣施設2カ所のトイレを借りて対応する緊急事態措置がとられた。

不便さを感じた関係者は「そもそも出る選手(420人)の数に比べてトイレが少なすぎる」と改善を求めた。更衣室の増設は関係者らの要求に応えて充実していると言うが、「トイレは更衣室にもなるが、更衣室はトイレにはならない」。本番では着替えなどもできるトイレ設置の増設を求める声も挙がった。

サブトラック横を散歩しながら選手らの練習風景を見つめていた60代女性は「昨日も犬の散歩でここを通った。なんだか少しにおうなと思っていたんです。今日は平気ですが、五輪が開催できるとしても、くさい五輪は、選手も周辺住民も嫌ですよね」と苦笑いした。

選手、コーチ問わず、誰にとっても必要不可欠なトイレ。他会場でも仮設などで対応する場合もある。テスト大会で改善点が明確になったことは悪いことではない。組織委関係者によると、本番は屋内施設も使う予定だと言う。更衣室、トイレ、冷房による暑さ対策も兼ねることが可能。「数は確定してはいませんが、人数も多くなるので外のトイレも増やします」。仮設トイレの性能なども含めて、対応策は用意してあるが、メイン会場にかかわる“トイレ問題”は、五輪運営に水をさした格好となった。