日本陸連は22日、東京オリンピック(五輪)男子50キロ競歩日本代表に内定していた、19年世界選手権同種目金メダルの鈴木雄介(33=富士通)が内定辞退すると発表した。補欠の勝木隼人(30=自衛隊)が繰り上がりとなる。

20キロの世界記録(1時間16分36秒)を持ち、50キロでも世界の頂に立った鈴木が苦渋の決断を強いられた。所属する富士通によると、19年の世界選手権金メダル獲得後、20年に入って回復力の低下が著しく、大会出場を回避。21年春には練習再開したが、現在も高負荷のトレーニングが難しいという。鈴木は「前回の五輪出場がかなわなかった時から、東京五輪には必ず出場し、金メダルを獲得することを強く望んで練習に取り組んできました。しかし、自分が望む結果を得るための状態まで仕上げていくことは困難と判断し、今般の決断にいたりました。日頃からご支援、ご声援いただいている皆様、そして地元石川県の方々をはじめ、楽しみにしてくださっていた皆様の期待に沿うことができず心苦しい思いです」とコメントした。

19年世界選手権金メダルにより、すでに22年同選手権(米国)の出場権は保有している。富士通陸上部競歩ブロック長の今村文男氏は「スタートラインに立たせることができず、本人、そして期待していただいた方々には大変申し訳なく思っています。まずは本人の体調の回復を優先し、次の大会やその先の世界選手権に向けて引き続きサポートしていきたいと思います」と今後を見据えた。