男子100メートル予選で、日本人初の9秒台をマークした桐生祥秀(25=日本生命)が予選7組6レーンに登場した。向かい風0・4メートルで10秒12の同組1着でフィニッシュした。スタートから鋭く出て、得意の中盤で加速。大きなリードを奪ってゴールした。10秒12は全体トップのタイム。夜の準決勝に進んだ。

桐生は5月下旬、右アキレス腱(けん)に痛みが出た。6月6日の布勢スプリントでは予選で追い風参考2・6メートルで10秒01をマークしたが、決勝は棄権した。

23日の前日会見では「ほぼほぼ走り込みはできてない状態。痛みをとることを最優先にやってきた」と話した。東京切符を巡る大一番を前に、試練を迎えている。それでも「走りに関しては技術が上がっている。アベレージだったり、どんな状況でも同じようなタイムで走れる」とした。

東京五輪の参加標準記録は10秒05。すでに山県、多田、小池、桐生、サニブラウンの5人が突破しており、この5人が25日の決勝で「3位以内」に入れば、代表に決定する。