4種目による個人総合で2年ぶり4度目の優勝を狙う村上茉愛(24=日体ク)が合計55・065点で首位通過した。

「新しく跳ぶ跳馬のことがずっと頭の中にあった」。1年延期された東京五輪を見据えて試みる大技「チュソビチナ(前転跳び前方伸身宙返り1回半ひねり)」が待つ跳馬は最終4種目目だった。そのことが頭を巡り、緊張感も感じながらの演技が続いた。その影響で床運動でもミスが出るなどした。

肝心の跳馬では、着地で右足がマット外に出た。「初めて試合でやったので合わせ方が分からないというか。緊張したし、(以前の技の)ユルチェンコの時と違った感覚で走りだしたので」と本番での感覚の違いがあったという。「立てただけ良かった」と前向きにとらえ、12日の決勝を見据えた。