東京オリンピック(五輪)の新競技、空手の出場内定選手が25日、大会の開催延期を受け、全日本空手道連盟を通じてコメントを発表した。

金メダル候補と目される男子形の喜友名諒は、「4年前に空手がオリンピックに採用されてからずっと、この2020の夏を意識していましたので、少し残念な気持ちは確かにあります」。正直な心境を垣間見せた一方、休校になった地元沖縄の子どもたちや、練習がままならない海外選手たちの状況を耳にし、心を痛めていたことも事実。それだけに「感染の拡大をしないようにすることが一番」と延期の決断に理解を示した。今後はいつ大会が行われても良いように準備していくとし、「良い演武を皆さまに見ていただけるように、精進していきます」と誓った。

女子組手61キロ超級の植草歩は、「オリンピックの優勝を狙うことには変わりありません」。これまで通り稽古に励む意向を示し、「この1年の期間で、技のバリエーションを増やしていきたい」。さらなる技術向上を目指す。

男子組手75キロ超級の荒賀龍太郎は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で高校生の全国大会が中止されたことに言及。「彼らは中止、でも僕たちは延期。そういう点で考えると、今まで、試合があることや練習があることが当たり前でした。振り返って、日常のいろんなことにしっかり感謝しないといけない」と神妙にコメントした。

同75キロ級の西村拳は「開催が延期になっても、自分がするべき事は変わらない」と気持ちを引き締め直した。

東京五輪代表に内定した全8階級の選手は、来月7日に会見が予定されている。