来月23日に国立競技場で行う東京五輪の開会式に観客上限の1万人に加え、別枠で大会関係者を入れる方向で調整していることが17日までに、政府関係者への取材で分かった。政府は東京五輪・パラリンピックの観客上限を1万人とする方向で調整中。大会関係者を別枠で入れれば客席利用者実数は大幅に上限を超える。

開閉会式の会場に招待される参加者は国際オリンピック委員会(IOC)委員ら五輪ファミリーに加え、各国首脳や各国際競技連盟(IF)会長、スポンサーやその招待客ら多岐にわたる。関係者によるとその数は1万人規模といい、観客上限の枠に収まらない。

定員の上限と同じ規模の関係者が別枠で客席にいては、上限を設定した説得力に欠ける。また開閉会式のチケットは倍率が高くプラチナ化した経緯もあり、再抽選を強いられる可能性があるチケット保有者の納得が得られるかも不透明だ。

一方でスポンサーは多額の協賛金を支払っている。利害関係のある得意先を開閉会式に招待する権利は行使したいところ。組織委は現在に至るまで関係者の削減努力を続けており「別枠」の出席者がどこまで減らせるのか注目される。

政府は7、8月のスポーツ大会などの大規模イベントについて、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の解除後、約1カ月の経過措置として、定員の50%以内であれば上限を1万人とすることを決めた。これを五輪にも準用することを検討し、21日にも開かれる政府、東京都、組織委、IOC、国際パラリンピック委員会(IPC)による5者協議で正式決定する。