12歳の開心那(ひらき・ここな、hot bowl skate park)が47・70点で5位に入り、東京五輪代表入りを確実にした。

五輪予選対象大会で獲得したポイントによる世界ランキングで中村貴咲(21=木下グループ)を抜き、日本勢3番手に躍り出た。12歳10カ月で挑む夏季五輪は、日本人史上最年少出場となる。

最終滑走の4本目。黒いTシャツとジーンズを身にまとった開は、コースの縁を使って体を回転させるトリックを何度も重ね、仲間たちから称賛されるパフォーマンスを見せた。終了後には宮崎市出身のスカイ・ブラウン(英国)と抱き合い、岡本とハイタッチ。この日自身最高の47・70点で5位で競技を終えた。

パーク女子決勝に進んだ8人のうち、日本人選手は5人。平均年齢は16歳。若いラインアップの中で、スカイブラウンと並んで最年少。きゃしゃな体つきの12歳はデッキに足を乗せると、大人顔負けの滑走で観衆を魅了した。

大会前の世界ランキングで日本人3番手にいた中村が7位(42・00点)に沈み、獲得ポイントの合算で中村を抜いた。61・71点で優勝した四十住さくら(19=ベンヌ)、57・00点で3位の岡本碧優(14=MKグループ)と共に、東京五輪代表入りをほぼ手中に収めた。10代の女子スケーターたちが今夏表彰台を席巻する可能性が出てきた。

○…開が東京五輪出場確実の吉報に、北海道アクションスポーツ協会の和田直也理事長(43)は「練習施設の少ない地から大変誇らしい。五輪での活躍は人気への後押しとなる」と喜んでいた。開を競技開始時から知る赤前吉明理事(39)は「彼女の得意なトリックを確実に決めれば入賞は間違いない。確実にやってもらいたい」と、早くも本番での活躍を期待していた。

◆開心那(ひらき・ここな)2008年(平20)8月26日、苫小牧市生まれ。5歳で競技を始めた。日本選手権は18年4位、19年優勝。趣味は絵を描くこと。得意科目は図工で上海の大会に出場した経験から、授業では針金で上海タワーを作った。好物はカレーうどんとカレーラーメン。名前の由来は南国好きの母が「ココナツ」から付けた。146センチ、34キロ。家族は両親と弟。血液型はO。

 

◆最年少記録 日本オリンピック委員会(JOC)は「戦前の大会等において生年月日が不明な選手が多く、明確な記録はありません」としているが、記録が残る範囲では、夏季五輪の女子最年少出場者は68年メキシコシティー大会競泳の竹本ゆかり(13歳5カ月)。男子は32年ロサンゼルス大会競泳の北村久寿雄(14歳9カ月)。日本がボイコットした80年モスクワ大会競泳の長崎宏子(11歳11カ月)は、大会には出場できなかったが、JOCから五輪代表に認定されている。一方、冬季では36年ガルミッシュパルテンキルヘンのフィギュアスケート女子シングルの稲田悦子(11歳11カ月)。年齢は開幕時。

 

◆東京五輪スケートボード種目 「ストリート」と「パーク」の2種目。ストリートは斜面や階段、手すりを模したコースを使用。パークはコンビプールと呼ばれるおわんを組み合わせたようなコースで争う。両種目ともトリック(技)の難度、スピード、構成、独創性などを競う採点競技。ジャンプやスライド技の多いストリートに対し、パークは回転技が多い。