雪の舞い散る真っ白いグラウンドは、静かなままだった。21世紀枠候補の富山北部・水橋に切符は届かなかった。連合チームとして初のセンバツ出場を目指していた笹野祐輔監督(31)は「2つの校歌を、甲子園で流してあげたかった。子どもたちが一生懸命頑張ってくれたことが誇り。やってきたことは、間違っていない」と絞り出した。
胸に「Hokubu」と「水橋」の文字が入ったユニホームが、ワンチームとして甲子園に並ぶ-。そんな光景は、今夏の目標になった。富山北部の清水周道主将(2年)は「選ばれなかったことは残念。強みは、全員が仲良く一丸となって取り組めること。夏は優勝して出場したい」と前を向いた。
少子化による県立高の再編で、21年度末に「水橋」の校名はなくなる。現在の選手は、富山北部の2年生と水橋の2年生は2人ずつで、すでに統合している「新」富山北部の1年生13人と合わせ、計17人の“3校連合チーム”。冬は降雪の影響もあり、週4日の合同練習を重ねてきた。今年の夏が最後となる水橋の中川凌輔主将(2年)は「OBの方も期待している。ここから集中して頑張る」と力を込めた。投手陣の要、富山北部の酒井友暉投手(1年)は「神様からの『実力で出ろ』というメッセージかな」と少し笑った。寒さと強い風の中、駆け足で移動した選手たちはボールとバットを準備。春の大会へ、スタートを切った。【保坂恭子】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

