【燕の反攻2024野手編】髙津監督の危機感「ピリピリして野球やらないと」/連載Ⅵ

「髙津ノート~セ・リーグ連覇監督のマネジメント論~」の最終回。ヤクルト髙津臣吾監督(54)が来季への展望を語ります。後編は「野手編」。メジャー行きを公言している村上宗隆内野手(23)への思い、山田哲人キャプテン(31)、2軍からの意識改革などを熱く語りました。

プロ野球

◆髙津臣吾(たかつ・しんご)1968年(昭43)11月25日、広島県生まれ。広島工―亜大を経て90年ドラフト3位でヤクルト入団。最優秀救援投手4度。03年オフにFAでホワイトソックス移籍。メッツ、ヤクルト、韓国ウリ、台湾興農、BC新潟を経て12年引退。日本通算286セーブは歴代2位。日米通算313セーブ。日本シリーズは93、95、97、01年の4度出場し、すべて胴上げ投手。14年に1軍投手コーチでヤクルトに復帰し、20年から監督。21年に20年ぶりの日本一を達成し、正力松太郎賞を受賞。22年1月にプレーヤー部門で野球殿堂入り。22年はセ・リーグ優勝。日本シリーズではオリックスに2勝4敗1分けで敗れた。右投げ右打ち。

村上に求めること

メジャー行きを公言している村上は、最短で25年シーズン後にも海を渡る。昨季は令和初の3冠王(打率3割1分8厘、56本塁打、134打点)という偉業を成し遂げた。今季は打率2割5分6厘、31本塁打、84打点。来季、4番に期待する数字とは?

「打点かな。ランナーをかえすバッティングをすること。彼の場合ランナー一塁でも1点取れる可能性がある。2点取れる可能性もあるわけだから。あとはもう全試合フルイニング出て欲しいな」

指揮官はこの「髙津ノート」において、第1回連載から「4番不動論」を説き続けてきた。

「変なこだわりがあって、4番とエース、クローザーはどっしりとしておかなきゃいけないと思っている。

少々(体が)痛くても、痛いと言えないポジション。少々調子が悪くても、試合に出続けて打順を前後されない、先発ローテーションを外れない、クローザーを外されない存在でいなきゃいけない。

9回までしっかり打って守って、ゲームセットを迎える。143試合フルイニングで。そうしたら打点やホームランも、たくさん起こり得ると思うから」

そのイズムはヤクルトの守護神として、日本一の胴上げ投手に4度輝いた現役時代から抱いていた。

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岐阜県・羽島郡出身。2浪1留の親不孝者。青学大から13年入社。
野球部でアマチュア、巨人、ヤクルト、楽天、DeNA、巨人を歴任。一番の思い出は、19年の台湾出張。痔が悪化し、現地ホテルで試合観戦。異国の地で、購入したボラギノールは忘れられない。
20年からスポーツ部に異動し、サッカー担当に。23年秋から野球部に復帰。好きなものは、優しいウォシュレット。嫌いなものは、硬い椅子。