【この7月に支配下になれなかった選手たち】目指すのは契約じゃない 支配下登録の真理
8月1日。それはプロ野球の多くの育成選手たちにとって、ズシッと来る日。7月31日が支配下登録の期限で、それを逃すとシーズン中の〝昇格〟はありません。西武でも23人が育成選手のまま緊張の秋を迎えることに。契約更新の保証はありません。何を思うのでしょうか。背番号3ケタのままの選手たちに、胸の内を尋ねました。
プロ野球
★「この7月に支配下になれなかった選手たち」下編
今回は、是沢涼輔捕手(25)と三浦大輝投手(25)に話を聞きました。7月末時点で支配下登録を逃した2人は、記者に何を語るのでしょうか。
■もう1回盛り返す時が…是沢涼輔
◆是沢涼輔(これさわ・りょうすけ)2000年(平12)4月19日生まれ、三重県出身。暁中時代は三重川越ヤングでプレー。健大高崎では2年春の甲子園出場も、自身はメンバーに入れず。法大では4年春にリーグ戦デビュー。通算4試合で3打数0安打。法大では3番手捕手だったが、肩の強さ、野球に対する姿勢がスカウトの目にとまった。22年育成ドラフト4位で西武入団。昨季はイースタン・リーグ31試合、24安打、打率2割7分、0本塁打、10打点。177センチ、78キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸400万円。
是沢涼輔捕手(25)と話す時、いつも彼は笑っている。見習わなければいけないなと常々思う。
8月9日の試合後も笑っていた。無理しなくてもいいのに。マジメな人柄だ。笑わないと、くじけてしまうのかもしれない。
「最後…最後、そうっすね。最後の最後に、バッティングをあきらめちゃった自分がいたのかもしれないです。最初からバッティングって、ずっと言ってたのに」
守備の評価が高いのは、直接言われてもいた。
是沢は「逆にそれじゃダメだ」と思ってしまったという。「焦る気持ちも出てきて、だんだん打率も落ちてきて、最後の最後に自分を信じ切れなかった部分がありました」。
全て内野安打ではあったものの、巨人田中将から3安打を打った。「たまたまです」と謙遜していたが、2軍イースタン・リーグでの打率は一時期、3割に乗った。
でも7月末には2割を割ってしまった。それが悔しかった。
「育成選手が支配下になる時って(記事の)字面はやっぱり打撃成績になるじゃないですか。それが1割8分とかじゃやっぱり…ですよね」
強肩、フレーミングをはじめディフェンスの評価は高い。今回の7月末の昇格争いにも、間違いなく是沢は食い込んでいた。
ただ、チームに負けが込み始めたとはいえ、まだAクラス入りを狙える位置にいる。最後の2枠は二遊間を守る佐藤太と、中継ぎ左腕の浜屋が優先された。
「1軍即戦力」という観点では、是沢の順列はまだ低かったということだ。
室内練習場に近接する寮に暮らして3年目。誰よりも必死に練習してきた。でも7月の終わりに願いはかなわなかった。
「野球と向き合う時間、今ちょっと減っちゃってるかもしれないですね。ベッドでぼーっとしちゃうんです。中学、高校、大学って野球は各カテゴリーで終わる時があるじゃないですか。いつも『次、やってやるぞ』って感じになってたんですけど。でも自分、ちょっと『あ~』って自分で落ちてる部分があるので」
目の前の是沢は笑っている。心からじゃないのが、分かりやすいほどによく分かる。無理してる。
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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。
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