【この7月に支配下になれなかった選手たち】緊張の秋へ…育成2人が明かす胸の内

8月1日。それはプロ野球の多くの育成選手たちにとって、ズシッと来る日。7月31日が支配下登録の期限で、それを逃すとシーズン中の〝昇格〟はありません。西武でも23人が育成選手のまま緊張の秋を迎えることに。契約更新の保証はありません。何を思うのでしょうか。背番号3ケタのままの選手たちに、胸の内を尋ねました。

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★「この7月に支配下になれなかった選手たち」中編

今回は、金子功児内野手(21)と宮沢太成投手(26)に話を聞きました。7月末時点で支配下登録を逃した2人は、記者に何を語るのでしょうか。

■何か1つ武器を…金子功児

◆金子功児(かねこ・こうじ)2003年(平15)9月2日生まれ、神奈川県出身。光明学園相模原、BC埼玉を経て、23年育成ドラフト4位で西武入団。1年目の昨季は2軍で68試合、40安打、打率2割9厘、1本塁打、16打点、2盗塁。177センチ、79キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸320万円。

8月2日、北海道美唄市を雲が覆う。たまにのぞく青空は、夏の色だ。

3日前には所沢での2軍戦で躍動していた金子功児内野手(21)が、よく通る声で3軍夏合宿を過ごしている。好プレー。周囲から「さすがジャニーズ!」なんてちゃちゃが入る。

渡辺前GMも「育成の色男」と表現したほどの、未来のスター候補だ。でも育成2年目の今季は、支配下登録に及ばなかった。

3軍美唄夏合宿に参加する西武金子(撮影・金子真仁)

3軍美唄夏合宿に参加する西武金子(撮影・金子真仁)

潮崎哲也シニアアドバイザー(56)は「いいものはあるんだけれど、支配下には全体的にもう1ランク、上がってほしいね」と今の金子のレベルを評する。

金子本人も「足りないところだらけなので」と今の自分を謙虚に評価する。

BCリーグ埼玉から入団して2年目の内野手だ。神奈川大から入ってきたルーキーの佐藤太陽内野手(23)はこの7月下旬、支配下登録を勝ち取った。

学年では1つ下になるが、プロ野球では先輩だ。金子は佐藤に「抜かれた」形になる。

「やっぱり悔しかった部分もあるんですけど、自分と太陽さんを比べたら全然足りないところだらけなので。太陽さんは守備も打撃もいいので、悔しいけど今はかなわない。力不足だなって、ただただ」

佐藤は6月、7月と2軍で圧倒的な成績を続け「1番遊撃」をものにしていた。一方で金子は7月になると、2軍戦より3軍戦の出場が増えていた。その違いが〝雄弁〟だった。

「いやもう、7月後半くらいから3軍にいたし、あきらめてるってよりかは今年は無理だなと。気持ちが落ちなかったわけじゃなかったですけど…」

でも。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。