高橋大輔“おじいちゃん”と思い出の地で日本一「大ちゃん~」きっと天国で喜んでいる

フィギュアスケートの全日本選手権(25日閉幕、大阪・東和薬品ラクタブドーム)アイスダンスで、村元哉中(29)、高橋大輔(36)組(関大KFSC)がカップル初優勝を飾りました。シングルから転向3季目となる高橋は、大会初となるシングル、アイスダンスの2種目制覇。自国開催となる世界選手権(23年3月、さいたまスーパーアリーナ)の代表にも選出されました。

節目の日本一をつかんだ地は大阪。シングル時代、長きにわたって拠点としてきた地での優勝を、喜んでいるであろう人がいます。

フィギュア

〈全日本選手権より〉

全日本選手権初優勝を飾り、メダルを手に笑顔を見せる村元哉中、高橋大輔組(中央)

全日本選手権初優勝を飾り、メダルを手に笑顔を見せる村元哉中、高橋大輔組(中央)

全日本アイスダンス成績


順位名前RDFD合計
1村元、高橋77.70108.91186.61
2小松原美里、小松原尊69.96105.14175.10
3高橋、シャイロー52.0178.25130.26
4木下、田村49.7278.97128.69
5菊池、池田42.4161.37103.78
6矢島、松井43.6352.8196.44

母校関大のリンクから全日本へ出陣

総仕上げの場は、思い出が詰まったリンクだった。

全日本選手権公式練習の前日となった12月20日、高橋の姿は大阪・高槻市にあった。

長い階段を下り、視線を左に向けると見える大きな建物。母校の高槻キャンパス内にある「関西大学たかつきアイスアリーナ」に、パートナーの村元と足を運んだ。2日前の18日に拠点の米国から帰国。普段の日本滞在時は関東圏で練習をすることが多いが、全日本選手権の大阪開催により、久しぶりに母校のリンクで氷に乗った。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇ 

天国で見ていたんじゃないかな-。

高橋を長年見守ってきた関係者は言った。

4日後のクリスマスイブ。リズムダンス(RD)で首位発進した「かなだい」は、フリーダンス(FD)でもトップを維持し、表彰台の頂点に立った。高橋は「今、36(歳)ですけれど『36になっても、いろいろ進化できるんだな』と感じられた。いろいろな自信がついた1年でした」とすがすがしい表情で口にした。

天国で、きっと“おじいちゃん”が見守っていた。

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球などを担当。22年北京冬季五輪もフィギュアスケートやショートトラックを取材。
大学時代と変わらず身長は185センチ、体重は90キロ台後半を維持。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。