“ゆなすみ”の支えとなった高橋大輔さん 取材した記者は日本スケート界の系譜を思った

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦フィンランド大会が22日にヘルシンキで閉幕し、今季もファイナル進出者が決定しました。

惜しくも2大会続けてメダルに届きませんでしたが、確かな成長を示したのがペアの長岡柚奈(20)森口澄士(23)組(木下アカデミー)です。

1戦目のNHK杯に続き、2戦目も4位。ミスがありながらも、24年GPフィンランド大会から1年間で21・32点を上積みしたことにレベルアップが証明されています。

現地取材メディア限定の一夜明けの場で〝ゆなすみ〟から語られたのは、記者が初めて知った事実。そこで日本フィギュア界の系譜を再確認しました。(本文敬称略)

フィギュア

GPフィンランド大会から一夜明け、現地で思いを語る長岡柚奈(右)森口澄士組(撮影・松本航)

GPフィンランド大会から一夜明け、現地で思いを語る長岡柚奈(右)森口澄士組(撮影・松本航)

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取材をしていると、思わぬ糸口から新たな発見にたどり着くことがある。

11月23日、ヘルシンキ。ここ数日に比べると、少しだけ暖かく感じる北欧の地でも、そんなやりとりがあった。

GPフィンランド大会はエキシビションがなく、最終日の22日は夜遅くまで競技スケジュールが埋まっていた。

日本チームの厚意もあり、恒例の一夜明け取材は宿泊先のホテルで行われた。

フロント横のソファは記者会見場のそれとは異なる重厚感を醸し出し、同じ10~15分でも、腰を据えて話を聞けるような気がした。

そうして始まった取材で、森口が「最後のリフトのエグジットに関しては、前のコーチとも話し合ったり、村元哉中さん、高橋大輔さんの技から少しもらったりとかして…」と発した。

固有名詞が出ると、具体的なエピソードや掘り起こしたくなる。特に選手が自ら名前を出して始まった場合、その話題は深まっていくことが多い。

まさにその一例だった。

きっかけ

演技詳細には「4Li」と記される「グループ4リフト」。

今季のフリー最終盤、壮大な曲調に乗って森口が長岡の両手を持ち、真っすぐに持ち上げる場面だ。

最後の「エグジット」と呼ばれるフェーズで、長岡の両脚を森口の首元に巻き付け、回転した上で降りる。

2人が実践した後に続くペアが多数現れ、さまざまなコーチからは「流行っちゃったな。でも、お前たちが1番だよ」と言われているという。森口が「そこに関しては胸を張れるかなと思います」とほほ笑んだ。

GPフィンランド大会ペアフリー リフトで高々と長岡柚奈(上)を持ち上げる森口澄士(撮影・松本航)

GPフィンランド大会ペアフリー リフトで高々と長岡柚奈(上)を持ち上げる森口澄士(撮影・松本航)

きっかけには〝かなだい〟のリフトがあったという。

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。