【キーガン・メッシング 最後の舞台〈下〉】大会後はルーツたどる旅 長崎に墓参りへ

今季の最終盤を飾る世界国別対抗戦が4月13日に東京体育館で開幕します。その舞台を選手生活最後の舞台と決めているキーガン・メッシング(31=カナダ)が、先月の世界選手権の最終日にインタビューに応じました。引退を決めた理由、家族との日々、これからの人生、そして日本との縁。上下編の2回に分けてお送りします。

フィギュア

〈4月13日開幕 世界国別対抗戦で選手生活に別れ〉下編

「キーガン・メッシング 最後の舞台」上下編

世界選手権で練習中に転倒した宇野(左)に手を貸すキーガン・メッシング

世界選手権で練習中に転倒した宇野(左)に手を貸すキーガン・メッシング

「妻に感謝、彼女はスーパーママ」

(上編からつづく)

――アウトドアの活動について豊富な知識を持っていると思います。それはカナダ人なら誰でもあるものですか

メッシング 外が好きなのですが、育ちも関係していると思いますね。父と母が私たちをキャンプに連れて行ってくれました。生まれてすぐにね。生後16カ月にはスキーに乗りましたよ。3歳頃には2輪車に乗っていたと思います。私たち兄弟は、3歳までには山の頂上からスキーで滑り降りることができました。自転車に乗ろう。これをやろう。カヌーに乗ろうって。私の父はミネソタ州出身です。だから彼らの夏は、カナダとの国境までドライブして、オンタリオ州オタワの北部の湖でこぎまわったものです。クアンティコと呼ばれる北部の湖周辺に住んでいたんです。この10年の間で、1年のうちに2週間ほどそこでキャンプをするようになったんです、私たちのパーティーには4艇のカヌーがあって、それを積んでいきます。広大な原野で、人生に対する感謝の気持ちが違ってきます。自分がいかに小さいかを知る、その後でこのようなイベントにきますよね。すると、17,000人のスタジアムで自分がまるで巨人であると感じる瞬間があって、とてもとても驚きですよね。

リンクであまりうまくいかない日もあります。何か人生に無理があったような気がして、これ以上勧めないような気持ちになる、まるで溺れているみたいに。そんな時は、いまは山の近くに住んでますから、荷物をバッグに素早く積めて10分ドライブして、お気に入りのトレイルヘッドまで歩いて行くんです。頂上に立つと、新鮮な空気と大自然が心を開いて、すべての問題は小さなもので、深呼吸して心を開けば、たくさんの問題に対処できることに気づかせてくれるんです。

――お子さんとも山に登っている写真をインスタグラムで見ました。

メッシング 一緒に(山に)行くのはいいのですが、いつも頂上に着く頃にはハーハー言ってますね。本当に大変です(笑い)。背中に背負っていくことにしたんですが、なぜかどんどん大きくなっていくんですよね。ちょっと前まで10ポンド(約4.54キロ)を過ぎたなと思っていたものが、これは先週だと思うんだけど、なぜか20ポンド(約9キロ)を超えつつあって、今は23ポンド(約10・43キロ)も超えてると思うんですよね。彼は大きな男の子ですから。そして、私は彼がこんなに大きいとは知らなかったんです(笑い)。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。