【りくりゅうの言葉】思い出したストックホルム「戻ってきてくれた」2季ぶりV舞台裏

【ボストン=松本航、藤塚大輔】愛称「りくりゅう」こと三浦璃来(23)木原龍一(32)組(木下グループ)が2年ぶり2度目の優勝を飾りました。

フリーから一夜明け、ここまでの歩みを振り返ると、26年ミラノ・コルティナ冬季五輪シーズンに臨む思い、今大会の裏側まで明かしました。

現地取材メディア限定インタビューでのやりとりを「りくりゅうの言葉」として、お届けします。

フィギュア

<世界選手権>◇28日(日本時間29日)◇米ボストン◇ペアフリー一夜明け

世界選手権の一夜明け取材に応じた木原龍一(左)三浦璃来組(撮影・藤塚大輔)

世界選手権の一夜明け取材に応じた木原龍一(左)三浦璃来組(撮影・藤塚大輔)

前回の優勝から得た経験

―2年ぶりの金メダルから一夜明けて、今の心境はいかがですか

三浦小さなミスがたくさんあった中で、シーズンベストを出せたことは非常にうれしく思っています。なので、来シーズンはもっときちんとスローを決められるように、練習していきたいと思っています。

木原やっぱり昨夜すごく興奮してしまって、あんまり寝られなかったんですけど、1日たって、ミスがあった中でも2年ぶりに優勝することができて、すごく良かったと思いますし、最初の優勝より苦労したことが多く感じたので、うれしさはありましたけど、ただ最初の優勝の時と違って自分たちの中でお祝いムードっていうのは、もう昨日で終わってしまったかなという感覚。通常の1日に戻って、また次に動かないといけないのかっていう。前回優勝した後の失敗の経験があるので、もう切り替えていかないといけないっていう気持ちが強いと思います。

ペアフリーの得点を確認し、感極まる三浦璃来(中央)、木原龍一組。左はブルーノ・マルコット・コーチ(共同)

ペアフリーの得点を確認し、感極まる三浦璃来(中央)、木原龍一組。左はブルーノ・マルコット・コーチ(共同)

―ここまでケガに苦しんできましたが、その期間は今振り返ると、どんな日々でしたか

三浦私は脱臼の経験があるんですけど、やっぱりケガをして2~3カ月滑れない期間があったので、やっぱり不安とか、相手にすごく迷惑をかけてしまっている気持ちがあったので、ケガがあったからこそ、もっとリハビリをちゃんとしないと、もっとトレーニングしないと、食事も気を付けないといけないという気持ちの変化があったので、それは本当に良かったかなと思います。

木原……(質問)なんだっけ。

三浦すみません、1時間睡眠なんで(木原が)ボーッとしちゃって。

木原違う違う違う、普段そんなに話すの長くないじゃん!(笑い)。すみません。最近たぶん、璃来ちゃんが先にしゃべるようになったから。で、ごめん、なんだっけ。

世界選手権の一夜明け取材に応じた木原龍一(左)三浦璃来組(撮影・藤塚大輔)

世界選手権の一夜明け取材に応じた木原龍一(左)三浦璃来組(撮影・藤塚大輔)

―ケガの期間を振り返って…

木原やっぱりケガの期間はものすごくつらくて、そういった経験はしたくないと思いますけど、ケガをしたことで栄養面だったり、トレーニングだったり、もう1度一から見直すことができたので、すごく必要なステップだったのかなと、今では思います。

―昨日の取材と被りますが、全日本選手権あたりから「楽しむ」とメンタルが変わった。「楽しむ」となったきっかけ、理由を教えてください

木原たぶん僕なんですけど、シーズン前半戦はどうしても「よりよいものを」っていう気持ちが強く出過ぎてしまっていて、できない自分に対してものすごくへこんでしまったり「なんでなんだろう」っていう気持ちを強く持ちすぎてしまっていた。でも全日本選手権のキスクラの映像を見た母からの一言で「そうだよね」っていう気持ちの変化。それが一番大きかったと思います。「好きなスケートのはずなのに、なんでこんなにつらくなっているんだろう」って、もう1度振り返ってみて、自分の目標設定があまりにも高くなりすぎてしまっていることに気づいて、そこから目標を少しずつ変えていって、気持ちも前向きになりましたし、やはり僕が少し以前のような感じに戻っていったので、璃来ちゃんも、それに応えてくれていったんではないかなと思います。

25日の公式練習で笑顔を見せる三浦璃来(左)木原龍一組(撮影・藤塚大輔)

25日の公式練習で笑顔を見せる三浦璃来(左)木原龍一組(撮影・藤塚大輔)

―三浦選手から見て、変化はどう感じましたか

三浦私が言うのもなんですけど、いつも引っ張ってもらっているので、やっぱり龍一くんの方に余裕があると、やっぱり声をかける余裕があるというか。そこでお互いに話し合ったりとか、ちょっとしたことでも冗談とか試合前でも言っていたので、シーズン前半戦は、そう思うと、それが少なかったかなと思います。

木原ちょっと自分自身にプレッシャーを抱え込みすぎてしまっていたので、それを1度なくして、追い込まないようにしました。

フランス・パリで北京五輪フィギュアスケート団体のメダル授与式に臨み、エッフェル塔を背に写真に納まる日本の選手たち。左から小松原尊、小松原美里、木原龍一、三浦璃来、坂本花織、鍵山優真、樋口新葉(2024年8月7日撮影)

フランス・パリで北京五輪フィギュアスケート団体のメダル授与式に臨み、エッフェル塔を背に写真に納まる日本の選手たち。左から小松原尊、小松原美里、木原龍一、三浦璃来、坂本花織、鍵山優真、樋口新葉(2024年8月7日撮影)

―4月には世界国別対抗戦があり、ミラノ・コルティナ五輪を踏まえると団体戦でペアが持っている役割、日本の団体が世界一になるために、どう考えていますか

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。