【坂本花織の言葉】涙のフリーから一夜…“生涯泣いたランキング”でも上位の悔しさ

【ボストン=松本航、藤塚大輔】女子で銀メダルを獲得した坂本花織(24=シスメックス)が、前夜の気持ちを整理しました。

66年ぶり4連覇に届かず、涙したフリーから一夜明けて取材に対応。あらためて今大会を振り返り、挑戦者としての今後へ決意を語りました。

現地取材メディア限定のやりとりを「坂本花織の言葉」として、お届けします。

フィギュア

<世界選手権>◇29日(日本時間30日)◇米ボストン◇女子フリー一夜明け

「逆にこれで良かったと思います」

エキシビションで演技を披露する坂本花織(以下、撮影はすべて藤塚大輔)

エキシビションで演技を披露する坂本花織(以下、撮影はすべて藤塚大輔)

―昨日は感情的にいろいろな思いがあったと思います。一夜明けて、心境はいかがですか

昨日帰ってからも、自分の映像を見返したりだとか、いろいろな人の連絡の温かさとかに、ず~っと泣いていて。「これ、いつ泣きやむかな?」とか自分でも思いながら、何見ても泣いて…っていう感じで。寝るまで結構泣いて、朝、意外と目が腫れていなくてビックリっていう感じです。

―最終的に感情としては、何が強かったですか

悔しかったです。

女子フリー後の取材で涙を拭う坂本

女子フリー後の取材で涙を拭う坂本

―昨日「今までで一番悔しかった」という話もありましたが、22年ファイナルなどと何が違いますか

何て言ったらいいんかな。今シーズンのスケートカナダだったら、フリーがなじみ切れていなくて、若干練習不足がありながらの試合だったので、ミスも想定内だし、それまでの練習を見ていたら、そうなってしまうよなっていうのもあって。それももちろん悔しいんですけど、今回のはまた違って、冬季アジアの前、2月の頭から1カ月半ぐらい、出発の1週間前ぐらいまで本当に調子が悪くて。「なかなかこの時期に、こんなに調子悪くなることある?」っていうぐらい、今までにないぐらい調子が悪くて、自分でも調子が悪い原因がなかなか見いだせませんでした。今まで以上にトレーニングもしたり、練習もしているのに、調子が上がらない。不安でしかなくて、でもやっと出発の1週間前に調子が上がって、追い込めたんですけど、やっぱり1カ月半と1週間の(不安な)期間の長さが不安につながったのかなというのがあります。1週間で「やろう」と思ったらできるのは分かったけど、今までの1カ月半の不安が大きすぎて「これは、大丈夫なんだろうか」っていうのが、この試合はショートもフリーもあって、なかなか精神的にもつらい試合になりました。

―昨年も一昨年もチャンピオンとして迎えて、プレッシャーもあったと思いますが、それと比べても、今回は全然違いましたか

去年は直前にインフルになったのもあって、全然練習ができませんでした。体力も落ちました。筋力も落ちました。それで出発まで10日しかありません、みたいな。「もうやるしかないじゃん」「これだけ休息とったんだったら、やるしかない」みたいな感じで、そっちの方がやりやすいんです。ほぼゼロからのスタートなので。もう1回体を作り直してやっていくだけっていう感じだったんですけど、今回はずっと練習はしているけど、調子が上がらない。負のサイクルに入ってしまって「出口が見つからん」ってなったら、去年の焦り具合と今年の焦り具合が全然、別物だなというのがありました。

―今回の負けが大きなきっかけになるとおっしゃいますが、きっかけになると言える理由を教えてください

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。