2018年度(18年4月~19年3月)の競輪の車券売上額は6541億1712万5300円で、前年度比102・2%となり、5年連続で前年度を上回った。

2018年度グレード別売り上げ額※期間は18年4月~19年3月
2018年度グレード別売り上げ額※期間は18年4月~19年3月

ただ、手放しで喜べる状態ではない。グレード別では表の通りG1でプラス計上になったが、これは11月の競輪祭が4日間開催から6日間に変更されて微増したもので、1日平均では激減している。またG2やG3は右肩下がりだ。

相変わらずミッドナイト(以下ミッド)中心のF2開催が数字を上げているが、これもいずれは転機を迎える。ミッドの売上額は前年度比124・6%と堅調だが、1日平均では94・6%と下降。開催日数が前年度の369日から486日に増えたことで、トータルではプラスに転じている。

本年度はさらに増えて開催数は570日程度になる予定で、来年以降も減る予定はない。現状の法令では同時に2場所開催は認められているが、すべてで同時開催となっても730日(365日×2)が上限。だから、ミッドの売り上げは青天井ではなく、いずれ頭打ちになる。

ここ数年、微増ながら売り上げアップが続いている。こんな時だからこそ、大胆なファン獲得の道を模索する必要を感じる。その点を関係団体に取材すると、今年からG3の番組が大幅改正されたのも、7車立てで買いやすい競輪に慣れたミッドファンの取り込みを考えてのものだという。さらに進化するためには、7車立てグレードレースの構築や、G1、G2などの抜本的改革など、やるべきことがある。