日本競輪選手養成所の募集人員と応募者を示す別表をご覧いただきたい。11年の103期以降は技能試験の応募者が減り続けたが、15年から徐々に増えつつある。それでも、かつて1000人を超えていたことを思うと、まだまだ物足りない。選手層を厚くするには、その裾野である競技人口を増やす必要がある。

過去10年の日本競輪学校(現養成所)募集人員と応募者
過去10年の日本競輪学校(現養成所)募集人員と応募者

しかし、高校の自転車部は次々と廃部、休部に追い込まれている。大きな原因は装備に金がかかり過ぎることだ。自転車競技がクロモリ製(クロムモリブデン鋼=競輪で使われている)のフレームで行われている頃はOBの競輪選手からお古が差し入れされ、それを交代で使う高校も多かった。今は違う。カーボンフレーム全盛となり、値段が跳ね上がった。ある五輪出場選手は「タイムが金で買える時代になった」と嘆く。また、カーボンフレームを持っている高校があっても台数は少なく、選手が交代で使用すると「せっかくセッティングを出しても、次に使った人にばらばらにされてしまう」とデメリットも多い。

そこでJKAに要請したい。カーボンフレームを各高校自転車部に配分すればどうだろう。そうなれば競技者人口も増え、魅力ある競輪選手も増えるに違いない。多額の経費はかかるが、いずれ収益として返ってくるはずだ。