記者が担当している住之江ボートでは現在、ギアケースの交換が頻発している。ギアケースとは端的に言えば、プロペラが装着された箱のこと。水面に最も近い部品で、肉眼では確認できない変形でも、レースに及ぼす影響が大きい。

住之江17号機の展示順位と展示タイム
住之江17号機の展示順位と展示タイム

なぜ、数ある部品の中で、ギアケースが選ばれるのか? 住之江マリンシステムの松村力斗1級整備士によると、「住之江にはギアケース交換で良くなったエンジンが数基あり、選手もそれを知っています。だから、整備士にお願いしやすい。良くなる理由は今のエンジンと中古のギアケースがマッチする可能性が高いからだと思います」。ギアケースは前年度の物を保管し、それを翌年度、中古部品として使う。部品同士の相性があり、3月に初降ろしされた現行エンジンは、ギアケース交換がパワーアップを生みやすいという。

松村整備士は「ギアケースは当たれば、展示タイムが良くなります。足の部分で言えば、伸びですね。出足が欲しいと選手から相談されても出しません」とのこと。顕著な例として、住之江の17号機の記録を参考にして欲しい。交換後は展示タイムが一気に上昇した。これから住之江の舟券を購入される方は、ギアケース交換、展示タイムに、ぜひ、ご注意を!