コロナ禍でも休むことなく開催を続けてきたボートレース。その感謝の気持ちとともに女子レーサー前田紗希(27=埼玉)は自分を見つめ直す時間ができた。「このままじゃだめ。何か自分にできることがないか」。そんな思いが募り社会貢献活動の「TUG BOAT PROJECT」を立ち上げた。

「子ども食堂」を支援する前田紗希(2020年11月2日撮影)
「子ども食堂」を支援する前田紗希(2020年11月2日撮影)

さすがプロを目指した元バレエダンサーだ。やろうと決めたらフットワークは軽い。自分が好きなもの「食べること」と「子ども」を結びつけて、支援先を貧困に苦しむ子どもたちに安く食事を提供したり支援する「子ども食堂」に決めて昨年9月から始めた。選手仲間でオリジナルTシャツを制作、販売、その利益を寄付することにした。

第1弾は、大橋由珠、寺島美里、黒沢めぐみ、第2弾は中田夕貴、滝川千依の選手仲間で制作、受注で各100枚以上を売り上げ、埼玉県戸田市に寄付できた。実際に活動する「子ども食堂」を訪問。子どもたちの笑顔にも接した。「ひとり親とか子だくさんの家族とかが多かった。実際には災害やコロナ禍で苦しんでいる家族もいるはず。子ども食堂は全国にあるのに知名度が低いと感じました。この活動を通じてもっと子ども食堂のことを知って欲しい。将来的には地元の戸田ボートレース場に子ども食堂を作れたらと考えてます」と夢を話す。

第3弾は3月。名前はまだ非公開だが夫婦で人気レーサーのH、N、T選手制作の予定。ぜひ「タグボートプロジェクト」でホームページをのぞいて確認して欲しい。