今年の4日制G1、G2を取材して、改めて勝ち上がりがすっきりしていると感じた。昔の12R制G3と同じく、1予は全員4着、2予は全員3着者までが勝ち上がる。特選3個レースで3着までに入ると準決確定の○○賞のご褒美があった。

現行のG3は1予は5着(1人だけ落ち)、2予は4着(1人だけ落ち)という甘々の勝ち上がり。これには弊害もある。先行ラインを2車のラインがたたいたりまくったりしてワンツーが決まったとする。最初に逃げたラインが2車ラインを追走したとき、3着には逃げたラインの番手選手が食い込むことが多い。ファンもセオリーとして認識しているはずだ。

実例として今月の大垣G3を挙げる。2予8Rは嵯峨昇喜郎-坂本貴史を犬伏湧也-小川真太郎がたたいてワンツー。3着にはそのまま嵯峨が流れ込んだ。同じく11R。逃げる岩谷拓磨-井上昌己は古性優作-神田紘輔にまくられたものの、急追した岩谷が3着。

ファンも当然、坂本や井上が3着に来るものと想定して犬伏-小川-坂本が7・1倍なのに対して実際に決まった犬伏-小川-嵯峨は38・6倍。井上、岩谷のケースもそれぞれ3・7倍と11・0倍と3倍近い開きがある。

坂本、井上も抜かなかったわけじゃなく、抜けなかったのだろう。しかし、これが3着権利なら違った結果になったかもしれない。もちろん、彼らを批判するつもりは毛頭ない。早めに前を抜いた場合、後ろの選手を連れ込むケースもある。大切なのは目標にした選手とそろって勝ち上がることで、ある意味当然のことをしたまで。

ただ、ファンが納得のいくような結果を望むなら、概定番組を再考するべきだ。