間もなく、5年ぶりの戸田SG「第59回ボートレースクラシック」が、開幕する。予想のファクターはいろいろあるものの、エンジン素性はレーサーの活躍を多分に左右する。昨年7月27日から使用されている現行エンジンで、気になる、舟券に役立つ? かもしれないエンジンを何基かを紹介します。

バックストレッチの大型映像「WINWINビジョン」も完成。SGから再開します
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【8号機】エース機。今年1月の埼玉選手権で砂長知輝が「申し分ない」と絶賛。この成績で、当時のエース30号機の数字を上回った。現在の勝率6・32、複勝率50・6%は、ともにトップ。直近に乗った西田靖はペラ形状が特殊と言われるが、それは本人も自認。「最近は昔ほどじゃないよ。おれの後でも“良かった”と聞くこともあるから。これ、行き足がいいよ」とパワーを実感した。

【42号機】もともと好素性機だった上に、近況は本格化。2月の馬袋義則が「このエンジン、クラシックでも活躍できると思います。峰(竜太)君なんかが乗ったら、大変なことになるんじゃないかな」と高評価。プロペラをたたき変えた上滝絢也は「全体にいい」。前節の中嶋達也も「行き足はトップ」と猛烈な動きが続く。

【40号機】「8」「42」と同格の評価ができる。特に行き足から伸びは強力。直前節の和田兼輔は「次の人に怒られそう」と特殊なペラ形状を試したが、その前の白水勝也や滝沢芳行の動きは節一クラスだった。

【30号機】旧エース機ではあるが、大幅に変調したわけではない。いまだに直線系は力強い。

【46号機】優勝4度は最多。12月に塚田修二、島田賢人が連続優勝。1月の埼玉選手権では鈴木賢一がカドまくりで勝ち切った。節によって、どこかに特徴が出る。

【16号機】前回、ペラ交換になったが、ひとまず足落ちはなし。昨年7月末の初使用からずっと伸び中心にいい。

【6号機】これも前回ペラ交換。こちらは若干足落ちの懸念はあるものの、1月の前田篤哉、2月の米丸乃絵の気配は実に軽快だった。

【31号機】1月に乗った大沢風葵が「今までで一番」と称賛した。ここ数節はそこまでの勢いはないものの、いい部類の評価はできる。

【13号機】 注目の上昇機。1月の整備から動きが一変した。SGに間には合わないかと思ったが、複勝率は28・8%まで上がり、49番目に入った。数字は度外視できる。

【41号機】1月の上田龍星から伸びは強烈。その後は「乗りにくい」「出足が…」とバランス面に課題を残すが、はまれば破壊力がある。

この他では「15」「20」「36」「54」は、レース向き。

SGクラスの調整手腕が加われば、さらなる飛躍の期待は持てる。

なお、佐々木康幸が全国24場制覇を達成した相棒は「52」。SGでは“前節優勝機”になるが、佐々木はクランクシャフト交換を視野に入れていた。優勝戦1枠になったことで整備をしない決断をしたが、優勝後に「ターンのトルク感とかは、整備をしないと出ないと思う」と素性を見立てた。

これらのエンジンを誰が引くのか。またどう仕上げるのか。ターン技術、スタートを含めたハイレベルな攻防に興味は尽きない。【窪寺伸行】