【大上悟・オレに任せろ】

 あらゆる戦法、戦術を駆使する浅井康太が絶好調の夏を駆ける。

 2予10Rは何でもできる浅井の本領発揮だった。自力戦で打鐘4角では外並走で粘る武井大介をさばき切った。「接触して右ペダルのクリップバンドが外れ、タイヤも前後輪ともにハウス(接触)です」。レース後に前後輪のタイヤを交換しながら高笑いしたが、突然のアクシデントによるバランスの崩れなどをまるで感じさせない快走だ。最終4角でも山賀雅仁をさばいての2着は余裕と映ったが、アクシデントにも瞬時に対応する反射能力の高さをあらためて見せつけた。

 初日のドリームレースは逃げた深谷知広を徹底ガードして別線を封じ、番手戦でも高い能力も証明した。直近は7月福井G3、サマーナイトフェスティバル、弥彦G3と3場所連続制覇。弥彦決勝は意表を突いた先行で逃げ切りだ。「逃げ切りもできる自在型でありたい。20度目のG3優勝で先行で勝ったのは初めて」。ラインでワンツーも、まさかの先行策にレース後はファンから罵声を浴びたが「究極の自在型」を目指す男には称賛も同じ。己が信じる道を貫く。

 準決の目標は竹内雄作。SS賞は深谷の番手絶好も「抜けなかったのは力不足」と気持ちを切り替えて奮起する。2車でも、関東勢や近畿勢の先行を許さずに逃げる。「ラインのために何でも」と断言する浅井がハードなブロックで徹底ガードから直線一気。矢野昌彦を目標に2段駆け態勢に持ち込むのが理想の武田豊樹は不発でも自力に変化して伸びてくる。両者のゴール前勝負だ。

 3連単は(1)=(3)から(5)(7)(9)(2)。