競輪、楽しんでいますか?

勝負事には運とか流れが大切といわれるが、8日に終了した立川のガールズ決勝では、これを痛感させられた。

田中まいからもらったウエアを披露する板根茜弥(撮影・栗田文人)
田中まいからもらったウエアを披露する板根茜弥(撮影・栗田文人)

優勝は地元ホームバンクの板根茜弥。前日の予2では終始、前後左右を挟まれる最悪の展開で、まさかの6着に敗れていた。2日間の合計は9ポイント(P)。通常、決勝進出は11Pがボーダーラインになることが多く、その時点で本人は悔しさで半泣きだった。

だが、運命の巡り合わせは不思議だ。この開催は2日間続けて上位着順を取った選手が多く、その分、ボーダーが9Pまで下がって4人が並ぶという異例の事態になった。ガールズ取材歴が2年に満たない当方にとっては初めて遭遇するケース。そして、最後の切符をつかんだのが板根だった。予1の3着が決め手となったのだが、決勝が決まると、うれし泣きの号泣に変わったことは言うまでもない。

だが、号泣はそこでは終わらない。翌日の決勝では前日とは正反対に、これ以上ないという展開になり、大本命の長沢彩のまくりをズブリと差してしまったのだから驚いた。

デビュー4年目にして初優勝。優勝インタビューをご覧になったファンも多いと思うが、最初から涙、涙で、何を言っているのかよく分からない状態。「昨日(予2後)“板根、帰れ”という(ファンの)声を聞いたんですけど、帰らなくて良かったですぅー(大涙)」のコメントが面白かった。

当方は…ごめんなさい、ちょっと笑ってしまったのだが(本当にごめんなさい)、周囲からは「もらい泣きした」という感想が随分と聞こえてきた。板根選手、おめでとう!

ちなみに前検日には、同い年で仲のいい田中まいからもらったというウエアをうれしそうに披露していた板根。決勝前に「まいまい(田中)と頑張ります」と話していたが、結果はまさかのこの2人によるワンツー(2車単2万6530円)。勝負事というのは、本当に分からない。【栗田文人】