長引く新型コロナウイルス禍は収まる様子はない。それは競輪界にも広がってきた。恐れていたクラスターが和歌山で起こってしまった。開催を続けるために競輪界が選択したのは、開催時の前検日に全選手らにPCR検査か抗原検査を行うこと。それは開催場によっては、取材記者も含まれる。開催中の向日町競輪では1月24日の前検日に、関係者全員の検査を実施。というわけで、記者が初めて受けた抗原検査がどのようなものだったかをお伝えしたい。(検査方法は場により異なります)

まずはいつも通り競輪場の駐車場へ。これまでも行っていた検温と書類記入を済ませ、隣のテントへ。ここで抗原検査の簡易キットを受け取った。

向日町競輪場で受けた抗原検査の簡易キット(撮影・岡田晋)
向日町競輪場で受けた抗原検査の簡易キット(撮影・岡田晋)

最初に小さな紙容器へ唾液を入れる。この際の唾液は喉の奥から、たんが混じるくらいに吐き出す感じだ。次に綿棒を紙容器に突っ込み、唾液を吸い込ませる。その綿棒を短く折って、試薬の入ったカプセルに唾液を吸い込ませた方を下にして入れる。唾液の混ざったカプセルの液体を、判定器具の指定の場所に3滴ほど垂らす。

指定の場所に唾液を入れた検査液を垂らす(撮影・岡田晋)
指定の場所に唾液を入れた検査液を垂らす(撮影・岡田晋)

平行な机の上に器具を置いて10分ほど待つと、判定器具に結果が表れ、記者は陰性だった。

検査の結果は陰性でした(撮影・岡田晋)
検査の結果は陰性でした(撮影・岡田晋)

ちなみに今回あっせんされた選手の多くは、自家用車で競輪場にやってきていた。選手は競輪場から300メートルほど離れた別の広い駐車場で、JKAの係員から車の中で説明を聞き検査キットを手渡される。車の中で検査して陰性が確定してから、ようやく競輪場敷地内の駐車場に移動。前検作業に入ることができた。

選手はまず競輪場から少し離れた駐車場で待機し、車内で係員の説明を受けてから抗原検査を受けた(撮影・岡田晋)
選手はまず競輪場から少し離れた駐車場で待機し、車内で係員の説明を受けてから抗原検査を受けた(撮影・岡田晋)

ある選手は「大変だけど、今は開催してくれるだけでもありがたい」と話していた。大都市を中心に緊急事態宣言が出されている中、競輪に携わる人々の雇用確保はもちろん、競輪ファンの楽しみを維持するためにも、できることは積極的に協力していきたいと思っている。【オカダ】