【栗田文人・車券放浪記】

◆10R:準決

エンジンは完全に温まった。郡司が4日目GR賞快勝の勢いで、97年神山雄一郎以来となるG13連続優勝に向けた、価値ある決勝切符をつかみ取る。そのGR賞は2角8番手から前の動きを冷静に見ながらの直線一気。「想像以上にみんなが積極的で後方になって焦ったが、差せたし状態はいいです」と爽やかに笑い、賞金192万9000円のボードを誇らしげに掲げた。

どちらかといえばスロースターターだ。今年は直前の武雄G3まで7場所走り、初戦は【0 4 0 3】で勝率0%、2連対率57・1%。これに対して2、3戦目はともに【5 2 0 0】で勝率71・4%、連対率100%と数字が一気に跳ね上がる。同学年のライバル松浦が今年、初戦は【4 3 0 2】と最初から全開でいけるタイプだけに対照的。「いつも初戦に向けてやってきているんですが…」と苦笑いの郡司だが“後がかり”であることは間違いない。今開催も初戦から3、1着。もう止まらない。

準決メンバーを見渡し「竹内(雄作)さんが仕上がっていますね。番手が浅井(康太)さんだし難しいですね。渡辺(一成)さんもいるし、関東は3車ですか…。内藤さんと2人で頑張ります。作戦は…今考えても頭が痛くなるだけなので一晩寝てから考えます。ま、(内藤の)1番車を生かせるのはいいですね」とニヤリと笑って締めた。好位確保からタイミングのいいまくりで仕留める。

3連単は(5)-(1)(3)-(1)(3)(7)(4)(6)。