G1「第32回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」（親王牌）が、19～22日の4日間、今年は弥彦競輪場で開催される。同場では、2年ぶり7度目の開催。昨年大会は新田祐大のグランドスラム達成となった。今年も新たなドラマが生まれそうだ。

自転車競技に特化した選考で行われるG1は、東京五輪代表の新田祐大（37＝福島）に注目したい。昨年大会でグランドスラムを達成し、今年は95～96年の神山雄一郎以来、17年ぶり史上2人目の大会連覇がかかる。暮れのKEIRINグランプリ（GP）を狙うにも、G1優勝が欲しい現状だ。日本の自転車競技をけん引してきた男にとっては、力の入る大会のはず。事実、17年からは出場した4大会連続で決勝進出中と相性は抜群。今年8月の世界選手権ケイリン銅の中野慎詞や、1キロTT日本記録保持者小原佑太、さらにSS新山響平といった、新旧ナショナルチーム連係は魅力だ。

今年G1で2冠の古性優作にも意地がある。直前の熊本代替のG3in久留米は精彩を欠いたが、脇本不在のシリーズはいつも以上に強さを見せつけたい。BMX仕込みの華麗な身のこなしと、強烈なまくりを武器に、賞金王へ歩みを進める。

GP出場返り咲きを狙う清水裕友は、苦手な夏場を乗り越え上昇一途。西武園G1オールスターでの落車から復帰2場所目の松浦悠士も、前回の熊本代替G3in久留米はシリーズ2勝を挙げ、ステップを踏んで賞金加算を狙う。さらに、自転車日本代表の現エース太田海也、今やG1決勝常連の犬伏湧也が加わる。中四国はいつも以上に厚みを増している。

今年の青森G2共同通信社杯を制した深谷知広は14年以来、2度目の大会制覇を狙う。SS班死守を狙う郡司浩平との連係は必見だ。2年前の弥彦での親王牌を制した平原康多は、オールスター覇者真杉匠とともに再び歓喜の瞬間を生み出したい。