新設G2ウィナーズカップの初代王座は、郡司浩平(26=神奈川)がビッグ初戴冠で奪取した。赤板から仕掛けて中団をキープすると最終2角からまくり一撃で激闘を制した。

 新設G2にふわさしいフレッシュな機動型、郡司浩平が初代王者に輝いた。「1回、前に出て勝負する」という思惑通り、赤板前8番手から上昇。稲垣裕之が巻き返して打鐘で先行態勢に入ると、すんなり4番手をキープした。

 「あとは自分のタイミングで踏むだけ」。流れは郡司に向いた。最終ホーム1列棒状。2角手前で6番手の平原康多が踏み出したタイミングでセオリー通りのまくり発進。押し切って1着ゴールを決めた郡司は「4日間で一番、車の伸びが良かった」と胸を張った。

 準決ではラインの根田空史が赤板前から捨て身の先行勝負。番手の郡司を決勝に送り出してくれた。さらに9Rガールズケイリンコレクションで石井貴子が優勝。「流れを作ってくれた」とW表彰式で南関勢の結束力に感謝した。平原を後方に置いて先行勝負した稲垣、後位不発の平原という両SS班がつかみそこねた流れを郡司がものにした。

 今年最大の目標は地元地区の平塚で開催されるKEIRINグランプリ(GP)初参戦だ。G1級の優勝賞金2130万円ゲットで「G1、GPへの道が1歩1歩見えてきた」。師匠で父の郡司盛夫(56=神奈川、現A級3班)について聞かれると、「自分より泣いて喜ぶはず(笑い)」。信じて道を歩む者に扉は開かれる。郡司が新時代の幕を開けた。【大上悟】

 ◆郡司浩平(ぐんじ・こうへい)1990年(平2)9月4日、神奈川県横浜市出身。市立横浜商高卒。競輪学校99期生で在校10位。11年1月の川崎でデビュー。G3は昨年1月の和歌山、同年8月の小田原で優勝。同年6月のG1高松宮記念杯で決勝2着。通算476戦156勝。通算取得賞金は1億5642万8200円。165センチ、72キロ。血液型A。