吉田敏洋が競輪場に入る前に、SNSで「ワタクシのような旧式の需要はどんどん減ってきているとは思いますが、最新鋭の自力選手に対して気持ちで負けないよう、カラダのもつ限り一生懸命闘って参りります!」(原文のまま)と投稿した。それに対して「頑張れ28センチ砲!」とコメントした。すると「せめて(戦艦大和の)46センチ砲にしろ!!」と返してきた。

吉田君、28センチ砲とは日露戦争で、203高地を攻略した時に使った大砲だよ。大和よりさらに古いのだよ…と言いたかった。結果は、最新鋭の自力選手(黒沢征治)がたれて(失速して)、敏洋のまくりが決まった。旧式大砲でもツボにはまればまだまだ活躍できる。

ヤマコウは、11Rで「旧式大砲」の吉田敏洋にチャンスが訪れると期待した
ヤマコウは、11Rで「旧式大砲」の吉田敏洋にチャンスが訪れると期待した

2予A11Rの吉田は単騎となり、難解なレースとなった。自動番組の妙だが、ファンが推理しやすい番組ではない。競輪ファンは推理して車券を買って当てたいのだ。そこを見誤るとサイコロを振るのと同じになってしまう。

先行を誰と読むか。ラインのできる高久保雄介、取鳥雄吾を比較すると大きな着の多い取鳥より、高久保の方に精神的余裕があると思う。カマシを狙うのは取鳥か。敏洋の1着条件は無駄足を使わないこと。なおかつ木暮安由、中川誠一郎より前にいること。厳しい条件だが、両ラインの間にいることは可能だ。後ろから押さえるラインをスルーして、カマシラインの後ろからチャンスをうかがう。混戦をまくる形になれば、旧式大砲にチャンスが訪れる。(日刊スポーツ評論家)