豊橋G3が開幕する。初日はベスト9人による特選12Rがハイライト。どこからでも狙える好メンバーだが、ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)は浅井康太をピックアップ。今後を占う意味でも、まくりを繰り出すとにらんだ。

ヤマコウは特選12Rで浅井康太の自力に期待した
ヤマコウは特選12Rで浅井康太の自力に期待した

21年、中部最初のG3は豊橋から始まる。12R1番車に深谷知広の名前があっても、登録は静岡になっている。何か寂しい気持ちになった。「アウェーやけど頑張ってな」と声を掛けると「いきなりアウェーの洗礼を受けましたわ。分宿です」と、受け答えはいつもの深谷だったので少し安心した。

特選は浅井康太を本命に推す。昨年競輪祭で落車して、肋骨(ろっこつ)の痛みを抱えながら別府G3に参加して優勝。検車場では痛みを隠して気丈にふるまっていたが、体調はベストではなかったはずだ。19年に別府で落車、失格を繰り返し、苦手だったバンクを見事に克服。優勝インタビューの時は、ファンの温かい声援が印象に残った。一流選手とは何かを考えさせてくれる開催だった。

昨年の四日市G3の決勝、関東2段駆け(宿口陽一-平原康多)が予想されたレースで、ホームからカマして関東勢を苦しめた(優勝は佐藤慎太郎)。イチかバチかのまくり追い込みの方が、浅井優勝のチャンスは大きかったと思う。後ろが坂口晃輔だから無理して仕掛けたのだろう。今節、深谷が南関の選手なので、牙城を守る意味でも下手なレースはしてほしくない。

特選は久しぶりの実戦となる深谷は力を出し惜しみせず戦うだろう。打鐘付近でカマすタイミングを狙うはずだ。その時、前で先行態勢に入っているのは野原雅也だろう。初日は寒くなる予報なので、バックは向かい風で内が重くなる。外をまくる浅井に有利な材料だ。今節の中部勢は層が厚いので、初日の戦い方が非常に大事だと思う。(日刊スポーツ評論家)